浪費による節税はおすすめしません
節税に対する考え方は、会計事務所により大きく違います。
当然、社長も、節税について様々な考えをお持ちです。
そのため、会計事務所と社長とで、
節税に対する考え方が合うか?というのが非常に重要です。
私の節税に対するポリシーは明確で、
すべては、
あなたの手元に、お金が最大限残るようにする
ことを目的に、節税のアドバイスを行います。
節税策を行った結果、
あなたの手元のお金が増えそう、というのであれば、
節税をおすすめします。
逆に、節税策を行った結果、
あなたの手元のお金が減りそう、というのであれば、
節税をおすすめしません。
決して、納税は国民の義務だから、
とか、そういう高尚な理由で節税をおすすめしないわけではありません。
単純に、
「節税をしたほうが損をする」と思うから、
節税をおすすめしないのです。
また、
節税をするのに、あなたの手間がかかりすぎる
という場合も、節税はおすすめしていません。
※誤解して頂きたくないのですが、
会計事務所の側で手間がかかるだけの節税は、積極的に行います。
積極的におすすめをしない節税は、
貴社に手間をかけてしまう節税の話です。
貴社に負担がかかる節税は、積極的におすすめしない場合もあります。
以下、詳細を書いていこうと思います。
- 1.積極的に行う節税
会計事務所が作業を行うだけで、税金が減るような節税策
(=貴社にほとんど負担がかからない節税)は、
弊社の判断で、積極的に行います。例えば、
- 未払金・未払費用の計上による節税
- リース資産について、売買処理を適用することによる消費税の節税
といった節税は、積極的に行います。
なぜなら、
こういう節税は、
あなたにとって「デメリットが一切ないから」です。こういう節税は、積極的に行います。
- 2.時間対効果を考えて、意思決定をお願いする節税
節税の中には、貴社に作業負荷をかける節税については、
その節税に必要な手間等と、
節税を実施した場合の効果について説明を行います。貴社にて、時間対効果を判断して頂き、
実際に節税をするかどうか、決定してください。
あなたに作業負荷をかける節税のわかりやすい例として、
少額飲食費の節税を考えてみます。※現在、この制度は廃止されていますが、
例として分かりやすいと思うので、この例を使って説明します。内容を、ざっくりと書くと、
手間:帳簿等に、飲食の詳細(参加者、参加者との関係、人数等)を記載すれば、
効果:支出額の約3%相当、税金が安くなる
という制度です。例えば、10,000円の飲食費が40件あったとして、
飲食の詳細を、40件分全て記載すれば
10,000円×40件×3%=12,000円分だけ税金が安くなります。
ただし、
飲食の詳細は、通常、本人しかわかりませんので、
誰と何人で飲食したかは、
社長(あるいは、飲食した本人)が情報を記録することになります。あなたなら、この節税、やりますか?
手間暇をかける割には微妙な金額だからやらない!
という方もいらっしゃるでしょう。逆に、ちょっとした内容を書くだけで税金が安くなるなら、
いくらでも書きますよ、、という方もいらっしゃるでしょう。経営者の方のポリシー次第ですので、
それぞれの価値観で決めて頂ければいいと思います。
このように、
実際に税金を減らすためには、
あなたに動いてもらう必要がある
という節税策があります。こういう節税を行うかどうかは、あなたに判断をして頂きます。
- 3.投資価値があるか検討をお願いする節税
-
お金を使うと、結果として節税になる場合があります。
- 車・パソコンを購入する
- 工場を修理する
- 従業員に決算賞与を出す
- ホームページを作る
- 従業員や取引先と飲みに行く
これらの事を行うと、確かに、税金は減ります。
ただ、何も考えずに実行すればいいか、、
というと、そういうわけではありません。
これらの節税を行う上で一番考えなければいけないことは、
短期的には、手元のお金は減ってしまうということです。詳細は、こちらのページをご覧頂きたいのですが、
税金を30,000円減らそうと思うと、
100,000円以上のお金を使わないといけませんから、
税金を減らすためだけにお金を浪費しても、割に合わないのです。
結局、お金をつかう節税策を行う場合には、
いったん、税金から離れて、
その支出そのものに価値があるか?
ということを考えるのが、非常に大切です。
投資価値があれば(=将来、投下した経費に見合う収入が得られれば)、
その投資を実行してもいいでしょう。あるいは、投資価値がないとしても、
「税金が減ろうが減らなかろうが欲しい物」であれば、
購入すればいいと思います。
逆に、投資価値もなく、別に欲しくもない、というものであれば、
お金を使う節税策は止めたほうがいいです。確かに税金は減りますが、それより経費が増えてしまい、
結果として、手元のお金が減ってしまいますので、
意味がありません。
そこで、
これらの節税策を実行する場合には、
その支出に(節税以外の面で)価値があるかどうか、
あなたに判断をして頂いています。例えば、今、ホームページを作ったら、
製作代の10倍くらい収益が上がりそう・・、
というのであれば、投資してもいいでしょう。あるいは、車が好きで好きでたまらない、
ということであれば、
高価な社用車を購入してみるのもいいと思います。好きな物を購入して、
結果として税金も減りますので、悪くはないと思います。※当然ですが、業務で使うものである、というのは大前提です。
単なる趣味の物は経費では買えないのは言うまでもありません。でも、単なるムダ遣いなら、
ムダ遣いせずに、税金を払った方が手元にお金が残ります。
当然、「ムダ遣いによる節税」はおすすめしません。
なお、先行投資的な節税策として、
いわゆる「節税保険」が使われる場合があります。ただ、「節税保険」は、
- 資金繰りが厳しくなり
- 一定条件下では、実行する価値がある場合もあり得るのですが、その条件を満たすのが、非常に厳しいため、
多くの場合、おすすめしていません。
→詳細は節税保険はおすすめしませんをご覧ください。
結局、私の場合、
- 上記1の節税(=リスクがない節税)
- 上記2の時間がかかる節税のうち、時間対効果が良いと判断した節税
- 上記3のお金がかかる節税のうち、お金を使う価値があると判断した節税
だけはおすすめしますが、
その他の節税は、おすすめしない、ということになります。
あなたの手元にお金を多く残すためのアドバイスをします
弊社では、
税金の大小だけには固執はしません。
あくまで、
手元にお金をできるだけ多く残すことを目的に
アドバイスをさせていただいています。
そのため、
- 税金を払ったほうが、結局手元に多くお金が残る
- 手間暇をかけて税金を減らすくらいなら、
同じ時間で、より大きな売上・利益を上げるために時間を使いたい
というような場合には、
敢えて節税をせず、税金を払うことをおすすめすることになります。
誤解して頂きたくないのですが、
- 税金を払うのが義務だから
- 税金を払うのが倫理的に良いことだから
といった理由で、
税金を払うのをおすすめしているわけではありません
税金を払うことをおすすめする理由は、
「税金を減らすことだけを目的にして行動すると、逆に損をする」
ことが多いから、
無理な節税はおすすめしないのです。
もちろん、
会計事務所ががんばるだけで税金が減る、という節税策があれば、
当然、積極的に行うのは、言うまでもありません。
ただ、あなたに手間や、
お金をかけさせるような節税策は、
本当に時間・お金をかける価値があるのか、
吟味をお願いしたいと思います。
次の記事:会社で利益を計上し、法人税の支払いをおすすめする場合もあります
会計事務所と社長の価値観が一致するか?
というのは、非常に重要です。
なぜなら、会計事務所と社長とで価値観が異なると、
会計事務所のサービスやアドバイスに納得できずに
非常にイライラすることになるからです。
弊社の価値観に、共感できる方は、ぜひ、お問い合わせください。
- 税金についての考え方
- 業務についての考え方
私のお客様にインタビューをして、ありのままの意見をお寄せ頂きました。
まずは、ご覧ください!