貸倒を防ぐために経理部が何をすべきかを考える必要があります

貸倒れが発生すると会社存亡の危機を迎えることもある

一回、貸し倒れが発生してしまうと、会社経営には多大な損害を与えることになります。

例えば、毎月100万円の売上が上がっており、売掛金の回収に3ヶ月かかる会社の売掛金が貸し倒れてしまった場合を考えてみましょう。

この場合、回収不能額は100万円×3ヶ月=300万円の貸倒れが発生することになります。

これが会社に与える影響は甚大です。

通常、入金が正常にあることを前提に資金繰りが行われるでしょうから、突発的に貸倒が起きると、資金繰りに窮してしまう可能性もあります。

それに、貸倒から生じる損失をカバーしようと思うと、気が遠くなるような売上が必要になります。

例えば、原価率が80%と仮定しましょう。

すると、利益率は20%ということになります。

この利益で300万円の貸倒(損失)をカバーしないといけないわけですから、300万円÷20%=1,500万円もの売上が必要になるのです。

これだけの売上を上げるのは大変ですよね?

ですから、経営者である以上は、貸倒を避けるための仕組みを整えていく必要があるのです。

貸倒を防ぐためには、営業担当者の協力が欠かせない

貸し倒れを防ぐために、一番重要なことは、営業担当者が自分の担当している販売先の状況を観察し、状況を適時に経営者に報告することです。

状況がおかしい、と思ったらすぐに経営者に情報が入るような仕組みを作ることが重要です。

ところが、実際には、このような仕組みを作ったとしても、あまり機能していないケースが大半です。

理由は簡単です。営業担当者から見てこのような報告をするメリットがないからです。

営業担当者は通常、自分が販売した商品の扱い高に応じて評価される傾向にあります。

そのような状況で、もし、「販売先の信用状況が悪い」と会社に報告すると、取引枠が削られてしまうかもしれません。そうすると、扱い高が減ってしまい、自分の評価に影響がでかねません。

ですから、どんなに会社の規定を作ったとしても、悪い状況はあまり報告したがらない、という傾向があるのです。

そこで、大切になってくるのが営業担当以外の人が、営業先の状況を適切に管理、監視することです。

入金予定・実績の把握をしっかりする

そこで、登場するのが経理部です。

営業担当者だけでは乗り気にならない業務を、経理部がお尻をたたくことで、会社の仕組みとして機能させるのです。

経理部で行うべき業務の一例として「入金予定・実績の把握」があります。

まず、あらかじめ営業担当者から入金予定額を営業担当者が経理部に報告する仕組みを作っておきます。

売上計上日から連動して入金予定日がわかるのならばシステム連動をさせてもいいですし、そのような仕組みを作るのが難しいようでしたら、手書きで報告を求めるのでも構いません。

とにかく、事前に入金予定額を経理部で掴めるようにしておくのです。

そして、実際の入金予定日には、入金があるかどうかを確認し、入金がなければ即座に営業担当者に連絡し、状況を確認させます。

そして、こちらに非がなければ、即座に販売先に督促をかけるようにします。

入金が遅れる、というのは、それだけで会社にとっては貸倒リスクを背負うことになりますから、一刻も早く回収を図る必要があります。

それに、販売先の立場から考えても、こまめに督促が来られると、その会社には優先的に支払いをしよう、という気持ちになると思いますので、損はありません。

なお、仕組みだけ導入しても、経理部の力が弱すぎると営業担当者の協力が生かせず、せっかくの仕組みが行きません。

入金管理は経理業務の中でも、特に重要な部分になりますので、経営者であるあなたが本気でこのような仕組みを導入する、という気概を見せて、制度を作っていってください。

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