会社設立時に必要な届出書類
会社設立時に必要な届出書類とは
会社設立というと、設立手続が大変というイメージがあると思います。
でも、実は、会社設立手続き自体はそれほど大変でもありません。
全て自分でやるとしても、せいぜい公証人役場と法務局に行けば手続きは終わりますし、電子定款認証を行うことにすれば、法務局に行くだけで会社は設立できます。
それに、書類の書き方についても、会社設立本がたくさん出ていますので、そういうのを見ながらやれば、それほど苦労なく会社を設立できてしまいます。
会社設立後の手続きのほうが大変
ところが、会社設立後の手続は大変です。
まず、届出が必要となる場所も、税務署、都税事務所、市役所、社会保険事務所等多岐に渡ります。
人を雇えば、さらに、労働基準監督署やハローワークにも届出を出しに行く必要があります。
さらに、厄介なのが、これらの手続きを網羅的に解説している書籍、というのがあまりない、ということです。
しかも、たちの悪いことに、網羅的に解説しているように見せかけて、実は重要な書類が抜けているなんていうケースもあるのです。
会社設立後に提出すべき書類
■会社設立後の提出書類の例
●税務署
・法人設立届出書
・青色申告の承認申請書
・給与支払事業所等の開設届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書
・申告期限の延長の特例の申請書
●都道府県税事務所、市町村役場
・法人設立届出書
・法人税に係る確定申告書又は連結確定申告書の提出期限の延長の処分等の届出書
・申告書の提出期限の延長の承認申請書(二)
●社会保険事務所
・健康保険厚生年金保険新規適用届
・健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届
・健康保険被扶養者(移動)届
このうち、特に重要なのが「青色申告の承認申請書」です。
個人の場合と違い、法人については、白色申告にしても記帳が簡単で済む、ということはありません。
一方で、青色申告の承認申請書を提出しないと法人税法上の一部の特典が受けられません。
ですので、忘れずに青色申告の承認申請書を提出しておくようにしてください。
例えば、青色申告の承認申請書を出すことで、次のように税金を安くすることができる場合があります。
■繰越欠損金の繰延(赤字の繰り延べ)
開業して最初の年は売上が上がらず、150万円の赤字になってしまった。
しかし2年目は順調に売上が伸び、200万円の利益が出た。
開業初年度の赤字150万円と通算することができ、200万円-150万円=50万円分の利益に税金を払うだけですんだ。
その結果、約45万円の節税ができた。
■欠損金の繰戻し還付の請求(赤字を前期の黒字と相殺)
前年は200万円の黒字だったのに、今年は業績が悪化し150万円の赤字になってしまったが、前年に収めた税金60万円のうち45万円を取り戻すことができた。
■中小企業等投資促進税制
今年は1台200万円の機械を購入した。
中小企業等投資促進税制の適用を受けることができたため、税額控除を受けることができた。
その結果、200万円×7%=14万円について、法人税を支払わないで済んだ。
青色申告の承認申請書を1枚出すだけで、これほどの税務上のメリットを受けられる可能性があるのです。
どうせ、税務署には、開業届等を出しにいく必要があるのですから、青色申告の承認申請書も合わせて出すようにしてください。
設立第1期期末の提出書類は有利・不利を判断する必要あり
会社設立直後に提出する書類は、提出しなければいけない書類、または、提出することにリスクがない書類ばかりです。
そのため、何も考えずに提出をしておけばOKです。
ところが、設立第1期末までに提出をすべき書類については、その提出書類を提出すべきかどうか、判断をしなければいけない書類が大半です。
設立第1期末までに提出する書類の例
■税務署
・棚卸資産の評価方法の届出書
・減価償却資産の償却方法の届出書
・消費税課税事業者選択届出書
・消費税簡易課税制度の選択届出書
これらの書類は、どの書類を提出するか、どのように記載して提出するかにより、税額が変わってきますので、慎重に判断をする必要があります。
さらに、棚卸資産の評価方法の届出書は、選択により業務負荷が著しく変わる場合があります。
業種により、あなたの会社の事業環境により、選択すべき評価方法は変わってきますので、どの評価方法を選ぶべきか、慎重に検討する必要があります。
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